茨木市の看板等の屋外広告物設置許可申請

大阪府茨木市では、令和7年1月1日より茨木市屋外広告物条例の運用が開始されます。今回の記事では、茨木市屋外広告物条例に触れつつ、茨木市での看板等の屋外広告物設置の際の注意点について解説していきます。

大まかな特徴

総じて、大阪府や大阪市に比べて厳しめに設定されている点に注意が必要です。

  • 【誘導方針】 まちなみや自然景観(北摂山系等)に調和した規模・配置とする。
    ⇒ 眺望への配慮もガイドラインにて言及されている。
  • 【形態・意匠】まちなみに調和した形態・意匠とし、必要最低限の情報とする。
  • 【色彩】まちなみや自然景観に調和した色彩とする。色彩の特性を活かし、見やすさやわかりやすさに配慮する。
  • 【照明】過剰な照明は控え、周辺環境に調和したものを用いる。
  • 【適切な維持管理】屋外広告物の適切な点検や維持管理を行い、安全を確保する。
  • 【屋上】原則として屋上広告物の掲出を控える。
    ⇒ 高層部での広告物掲出を避ける方向性。
  • 【壁面】建物やまちなみに調和した意匠・配置・色彩とする。
  • 【突出】通りの見通しやまちなみの連続性に配慮。必要最小限とし、複数広告は整理、集約化。
    ⇒建物低層部(1階~3階)への集約。
  • 【簡易広告物】必要最小限の掲出とし、無秩序な掲出を控える。
  • 【映像装置付き】周辺環境への影響が最小限となるように掲出する場所や表現方法を工夫する。
  • 窓面広告、車体広告、公共サインについても規定がある。
  • 自家用広告物で表示面積の合計が7㎡以下の場合は適用除外

茨木市のWebサイトにて、概略版が作成されております。

茨木市屋外広告物条例の概略版(外部サイト)

2025.1.1以降に屋外広告物に関するお手続きを行う場合

2025.1.1以降に新規、変更、継続申請を行う場合、茨木市屋外広告物条例に基づいて行われることとなります。

許可地域の区分、許可手数料の金額など、大阪府屋外広告物条例と比較して若干の違いがあります。

許可手数料

  • 車体広告利用は4㎡未満、4㎡以上で金額が異なってきます。
  • 広告塔、広告板、建物のその他掲出の屋外広告物(広告幕を除く)については、
    2㎡未満、2㎡以上~5㎡以下、5㎡を超える場合でそれぞれ金額が変わってきます。

茨木市より

禁止地域

  • 第1種低層住居専用地域
  • 第2種低層住居専用地域
  • 重要文化財、史跡、名勝、天然記念物の地域又は場所付近で指定された地域
  • 大阪府指定有形文化財(建造物のみ)の敷地及び周辺地域で指定された場所
  • 茨木市指定有形文化財(建造物のみ)の敷地及び周辺地域で指定された場所
  • 保安林区域
  • 古墳、墓地
  • 市長が指定する地域又は場所

非自家用広告物の禁止区域

下記の地図の路線の両側100mの範囲では、商業系地域、未供用区間を除き、店舗などの敷地外の場所に掲出される非自家用広告物は禁止されます。大通りや高速道路、鉄道路線が該当します。

茨木市屋外広告部物ガイドラインより

許可が不要な場合(適用除外)

  • 公職選挙法による選挙運動のためのポスター、立て看板
  • 交通標識等、法令の規定により掲出するもの
  • 道先案内図その他公共上やむをえないもので、公共団体、公益法人、自治会その他これに類する団体が掲出するもの。※表示面積が40㎡を超える巨大な屋外広告物の場合は、届出が必要
  • 合計表示面積7㎡以下の自家用広告物
  • 土地又は物件の管理上必要な管理用広告物。
    表示面積7㎡以下、かつ地上から屋外広告物の最上端までの距離が5m以下。
  • 冠婚葬祭祭礼の為に一時的に掲出する者
  • 講演会、展覧会などの催し物のために、会場の敷地内に掲出するもの
  • 公益上必要な物件に寄贈者名を掲出するもの
    (0.5㎡以下、かつ掲出方向から見て外郭線内を1平面とした際の面積の1/20以下)

禁止区域に掲出できるもの(別途、許可申請が必要な場合があります)

  • 多数の人が利用する施設への案内板
    ※表示面積5㎡以下、掲出位置5m以下(最も上の部分から地上までの高さ)、同一目的のものは2個以下
  • 教育文化施設、社会福祉施設の敷地内に掲出する自家用広告物
  • 電柱広告、停留所標識に掲出するもの
  • 車体広告
    ※電車、路線バス、広告宣伝用自動車に掲出する非自家用広告物で営利を目的とした屋外広告物は許可申請手続きが必要です。それ以外の自動車で自家用広告物を掲出する場合は許可不要となると解されます。ただし景観等他の法令やガイドラインの順守が必要です。
  • 掲出期間が30日を超えない簡易広告物
  • 公共団体、自治会、商店街、NPO法人等が道路周辺設備等の整備、管理、催し物、防犯その他の公共的な取り組みに要する費用に充てるため、広告収入を得て掲出するもの
  • 公共団体が道路の管理維持修繕等の費用を捻出するために、広告収入を得てその管理する道路に掲出するもの

許可区域等の分類

第1種許可区域

閑静な住宅地、北摂山系の山並みが広がるエリアといった、主に住居系地域が該当します。

  • 第1種中高層住居専用地域
  • 第2種中高層住居専用地域
  • 国道171号線以北の市街化調整区域

第2種許可区域

大規模な工場やマンション、幹線道路沿いの商業施設等のいわゆる市街地が該当します。

  • 第1種住居地域
  • 第2種住居地域
  • 準住居地域
  • 田園住居地域
  • 準工業地域
  • 工業地域
  • 工業専用地域
  • 国道171号線以南の市街化調整区域

第3種許可区域

商業の賑わいのある地域。『品格のあるまちなみ』形成の誘導がなされています。

  • 近隣商業地域
  • 商業地域

景観形成地区

下記5つの地域は、別途基準が設けられておりますので注意が必要です。

  • にぎわい景観形成地区
  • 元茨木川緑地景観形成地区
  • 彩都景観形成地区
  • 歴史的景観地区
  • 沿道景観形成地区

茨木市屋外広告物ガイドラインより

安全点検の実施

次のいずれかに該当する場合は、安全点検結果報告書の提出は不要ですが、定期的な点検の実施は義務となります。

  • 地上から当該屋外広告物の際上端までの距離が4m以下
  • 表示面積が3㎡未満のもの
  • 簡易広告物(広告旗、ビラ・チラシを張り付けたもの、立て看板)
  • 車両利用広告物
  • 塗料などにより壁面又は工作物に直接掲出されるもの

上記のいずれにも該当しない場合は、2年に一回の屋外広告物継続許可申請の際に、屋外広告物安全点検結果報告書の記載が必要となります。
報告書を作成できる資格者の要件も厳しく設定されております。

  • 屋外広告士
  • 職業訓練における1級広告美術仕上げに係るものの合格者
  • 屋外広告業の事業者団体が公益目的事業として実施する屋外広告物の点検に関する技能講習の修了者

建築士、電気工事士が資格者として記載にない点は注意が必要です。

2024.12.31までに屋外広告物に関するお手続きを行う場合

大阪府屋外広告物条例に基づいて許可手続きを行います。

なお、受付窓口は茨木市になります。

最後に

本記事執筆時ではまだ運用開始前ではありますが、まもなく運用されるということで今回記事に取り上げました。ガイドラインを見た限りでは比較的厳しめに設定されており、景観をまちづくりに強く反映させていきたい意図を感じました。

当事務所では、茨木市の看板等の屋外広告物の許可申請等のお手続きに関するご相談を承っております。お気軽にご相談ください。

参考リンク

令和7年1月1日以降に(新規・変更・継続)申請する場合/茨木市

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