都市再生推進法人とは?指定のメリット・必要書類・まちづくりでの活用方法
目次
都市再生推進法人について
都市再生推進法人とは、都市再生特別措置法に基づき、地域のまちづくりを担う法人として、市町村長が指定する法人です。
都市再生推進法人は、行政だけでは担いきれない地域のまちづくりについて、国、地方公共団体、公共施設管理者、地域団体、民間事業者等と連携し、都市の活性化や再生に資するさまざまな活動を行います。
令和5年10月末時点では全国で117団体、令和7年10月末時点では全国で150団体が指定されています。指定法人には、まちづくり会社、NPO法人、一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、公益財団法人などが含まれており、大企業でなければ指定を受けられないという制度ではありません。
北方領土の6村を除いた全国の市町村数は1,718団体です。全国の市町村数と比べると、都市再生推進法人制度は、今後さらに活用が広がる余地のある制度といえます。
概要

国土交通省 官民連携まちづくりポータルサイトより
都市再生推進法人制度は、地域のまちづくりを担う法人を、市町村長が都市再生特別措置法に基づき指定し、公的な位置付けを与える制度です。
近年、駅前広場、道路、公園、商店街周辺、民間敷地内の公開空間などの公共的な空間を、行政だけでなく地域の団体や民間事業者が連携して活用・管理する場面が増えています。
都市再生推進法人は、このような官民連携まちづくりの担い手として、地域のにぎわいづくり、公共空間の活用、都市利便増進施設等の整備・管理、イベントの実施、情報発信、エリアマネジメントなどを継続的に進める法人に対し、公的な位置付けを与える仕組みです。
指定を受けることで、都市再生整備計画の作成・変更の提案や都市利便増進協定への参画など、地域のまちづくりを制度面から進めやすくなる場合があります。
もっとも、都市再生推進法人の指定を受けるには、法人の目的、活動実績、事業計画、組織体制、財務状況、地域との関係性などを整理した上で、指定権者である市町村長の基準に沿って申請内容を組み立てる必要があります。
主な役割と機能
ひらたくいえば、都市再生推進法人は、国、市町村、公共施設管理者、地域団体、民間事業者、地権者等をつなぐ、官民連携まちづくりのハブとなる法人です。
市町村への提案と連携
- 都市再生推進法人は、自らの業務を行うために必要な都市再生整備計画や景観計画の作成・変更について、市町村に提案することができます。
- 公共空間の活用、都市利便増進施設の整備・管理、地域イベントの実施、情報発信などを通じて、エリアマネジメントを担うことが期待されます。
- 市町村、公共施設管理者、地権者、地域団体、民間事業者等との協議・調整に関わり、地域のまちづくりを進めるハブとしての役割を担うことが期待されます。
地域の活性化
- 地元企業、商店街、地域団体、民間事業者等との連携を通じて、地域の魅力向上やにぎわいづくりに取り組むことが期待されます。
- 地域イベントの実施、公共空間の活用、情報発信、回遊性の向上などにより、地域経済の活性化につなげる役割が期待されます。
- 低未利用土地利用促進協定、跡地等管理等協定などの制度を活用することで、空き家、空き地、低未利用土地等の有効活用に関与することも想定されます。
資金調達・制度活用
- まちづくり活動に必要な事業費について、補助制度、融資制度、民間資金等の活用を検討することができます。
- 公共・民間の資金を効果的に組み合わせ、継続的なエリアマネジメントや公共空間の活用につなげることが期待されます。
- ただし、補助制度、融資制度、税制特例等は、都市再生推進法人に指定されるだけで当然に利用できるものではなく、各制度の対象事業、対象区域、要件、手続を個別に確認する必要があります。
都市再生推進法人指定のメリット
都市再生推進法人に指定されること自体によるメリット
- 地域のまちづくりを担う法人として、公的な位置付けを得ることができます。
- 都市再生整備計画の作成又は変更について、市町村に提案することができます。
- 都市利便増進協定、低未利用土地利用促進協定、跡地等管理等協定など、都市再生特別措置法上の各種協定制度に関与しやすくなります。
- 市町村、公共施設管理者、地域団体、民間事業者等との協議・調整を進めやすくなる場合があります。
- 国や地方公共団体等による情報提供、助言、その他の支援を受けやすくなる場合があります。
関連制度と組み合わせた場合の効果
- 滞在快適性等向上区域、いわゆる「まちなかウォーカブル区域」における道路や都市公園の占用許可等について、関係者間の調整、申請に向けた整理、手続の支援等を行うことができます。
- 都市利便増進協定を活用することで、広場、ベンチ、街灯、広告塔、食事施設など、にぎわいや交流の創出に資する施設の整備・管理に関与できる場合があります。
- 一体型滞在快適性等向上事業者として、市町村による道路、公園等の公共施設の整備等と併せて、民地のオープンスペース化や建物低層部のオープン化等を行う場合には、該当区域内の都市公園において、地域の催しに関する情報を提供する看板等の設置が認められる場合があります。
- まちなかウォーカブル推進事業、官民連携まちなか再生推進事業、まちづくりファンド等の補助・融資制度と組み合わせることで、公共空間の活用やエリアマネジメントに関する取組を進めやすくなる場合があります。
なお、これらの効果は、都市再生推進法人に指定されるだけで当然に認められるものではありません。実際の活用に当たっては、対象区域、都市再生整備計画等への位置付け、施設管理者との協議、占用許可その他の個別手続の要否を確認する必要があります。
指定に当たり必要となる書類
都市再生推進法人の指定を受けようとする法人は、指定を受けようとする市町村長に対し、都市再生推進法人指定申請書を提出する必要があります。
添付書類は市町村ごとに異なる場合がありますが、一般的には、次のような書類の提出が求められます。詳細は、指定を受けようとする市町村に確認する必要があります。
(1) 定款
(2) 登記事項証明書
(3) 役員の氏名、住所及び略歴を記載した書面
(4) 法人の組織及び沿革を記載した書面並びに事務分担を記載した書面
(5) 前事業年度の事業報告書、収支決算書及び貸借対照表
(6) 当該事業年度の事業計画書及び収支予算書
(7) 都市再生推進法人に指定される以前のまちづくり活動の実績を示す書面
(8) 法第119条に規定する業務に関する計画書
(指定の基準等)
(9) 前各号に掲げるもののほか、都市再生推進法人の業務に関し参考となる書類
なお、申請書の様式、添付書類の名称、提出部数、押印の要否、事前相談の要否などは、市町村によって異なる場合があります。実際に申請を検討する際は、対象区域を所管する市町村の要綱、様式、運用基準を確認する必要があります。
まとめ
都市再生推進法人は、地域のまちづくりを担う法人を市町村長が指定し、官民連携による都市再生や地域活性化を進めやすくするための制度です。
指定を受けることで、都市再生整備計画の作成・変更の提案、都市利便増進協定等への参画、公共空間の活用、地域イベントの実施、情報発信、エリアマネジメントなど、地域のまちづくりを制度面から進めやすくなる場合があります。
もっとも、都市再生推進法人の指定を受けるには、法人の目的、活動実績、組織体制、財務状況、事業計画、地域との関係性などを整理した上で、指定を受けようとする市町村の基準や運用に沿って申請内容を組み立てる必要があります。
都市再生推進法人の指定申請や、まちなかウォーカブル区域、都市利便増進協定、公共空間の活用に関する制度整理でお困りの場合は、当事務所までご相談ください。
参考リンク
官民連携まちづくりポータルサイト|制度の紹介 (mlit.go.jp)


