西宮市の屋外広告物設置許可申請、屋外広告業登録
西宮市の屋外広告物条例について解説します。景観地区や地区計画のある地域等例外が多く、個別の確認と事前相談が推奨される街です。
目次
禁止地域、許可地域
禁止地区
第1種禁止地区
非公共的な非自家用広告物、突出広告物、置き看板、ネオンサイン、デジタルサイネージ、光源が点滅する広告物の設置が禁止されています。
- 風致地区(用途地域を除く)
- 特別緑地保全地区
- 文化財周辺
- 森林法による指定地域
- 市庁が指定する地域
- 中国自動車道、新名神高速道路の路端から1,000m以内の区域
(用途地域で路端から200m超~1000m以内は除く) - 芦有ドライブウェイの路端から1,000m以内の区域
- 剣道大沢西宮線(山口町船坂字上ノ垣内595-3~社家郷山大橋)の路端から1,000m以内の区域
(用途地域で路端から200m超~1000m以内は除く)
- 中国自動車道、新名神高速道路の路端から1,000m以内の区域
- その他指定地域等(条例第10条第1項、規則第5条、別表第1)
第2種禁止地区
- 風致地区(用途地域内)
- 景観地区、景観重点地区(津門大塚地区を除く)
- 第一種第二種低層住居専用地域
- 第一種第二種中高層住居専用地域
- その他指定地域等(条例第10条第1項、規則第5条、別表第1)
第2種禁止特例地域
- 第二種中高層住居専用地域内の次の路線の指定区間の路端から30mの地域
- 主要幹線道路中津浜線(市道幹7号)
- 宝塚市境~名神高架下
- 甲子園浜田町16番街区~阪神電鉄高架下
- 県道浜甲子園甲子園口停車場線 甲子園5番町14番街区先~阪神甲子園駅
- 県道臨港線 南甲子園三丁目1番街区先~甲子園九番町2番街区先
- 主要幹線道路超木岩筋(市道幹20号) 松生町界~阪急高架下
- 主要幹線道路中津浜線(市道幹7号)
第3種禁止地域
市長が指定する以下の区域内で、指定路線上から広告物等の一部でも視認できるもの
(防音壁や建築物等により指定路線上よりみえないものについては、本来の用途地域の基準となる)
- 名神高速道路の路端から200m以内の区域
- 阪神高速5号湾岸線の路端から200m以内の区域
- 県道塩瀬宝塚線の路端から100m以内の区域(用途地域の区域を除く)
- 武庫川の河川区域の境界線から100m以内の区域(用途地域の区域を除く)
- JR福知山線の路端から100m以内の区域
- 阪神高速3号神戸線の路端から幅50m、路面から高さ15mの指定空間に広告物及び掲出する物件の一部でも含まれるもの
許可地域
- 許可地域(住居)…住居地域、準住居地域で禁止地域以外
- 許可地域(工業)…工業地域、準工業地域で禁止地域以外
- 許可地域(商業)…商業地域、近隣商業地域で禁止地域以外
特定区域(野立て看板掲出禁止区域)
壁や建築物等により道路・線路上から視認できないときは通常の用途地域の基準が適用される。
- 中国自動車道、新名神高速道路、県道大沢西宮線の一部の路端から200m超~100以内の区域(用途地域に限る)
- 山陽新幹線の路端から200m以内の区域(許可地域に限る)
- 一般鉄道(阪急甲陽線、阪神武庫川線を除く)の路端から100m以内の区域(許可地域に限る)
- 武庫川の河川区域から展望できる地域で河川区域の境界から100m以内の区域(用途地域の区域に限る)
景観計画等の規制
景観地区、景観重点地区
以下の地域は、先述の規制に加えて各地区固有の規制が適用されます。
- 関西学院周辺景観地区
- 津門大塚地区景観重点地区
- 枝川町戸建住宅A,B地区景観重点地区
- 苦楽園五番町くすのき台地区景観重点地区
地区計画
下記の地区内では、屋外広告物の掲出に関する具体的な規制が課されています。
- 北六甲台地区、名塩南台地区、すみれ台地区、名塩ニュータウン地区、上山口・丸山地区、剣谷地区、大畑地区、仁川五ヶ山地区、名塩平成台地区、西宮名塩さくら台地区、甲子園三保地区、夙川北東地区、夙川霞・松園地区、甲陽園目神山地区、浜甲子園団地地区、甲子園浦風地区、宝生ヶ丘地区、西宮北口駅南地区、西宮北口駅南東地区、津門大塚地区、JR西宮駅南西地区
その他
建築協定や生産緑地によって規制がなされている場合があります。
禁止地域等における基準の主な注意点
- 広告物等の上端は3階程度の高さとするように努めること
- 広告物等が敷地境界線から突出しないように努めること
- 蛍光塗料、蛍光フィルム、反射光の強い塗料、夜光塗料の禁止
- 彩度の高い色(マンセル表色系の彩度10超えの色)は2色以下とし、表示面積の1/2以下とすること
ただし、自家用・管理用広告物の色数3色以下の場合、その他の場合で広告物の色数が2色以下の場合を除く - 敷地内に掲出する全事業者の広告物の表示面積の合計が30㎡を超える場合、又は敷地内に高さが4m超の広告物がある場合は、さらに規制が上乗せされます。
西宮市内の屋外広告物で許可不要な場合
禁止地域等における共通基準と色彩基準、大規模広告物等がある敷地に広告物を掲出する場合では付加基準等、各地域での掲出基準を満たしたうえで、下記の条件を満たす場合は不要となります。
- 自家用広告物で次の条件をすべて満たす場合。
- 1事業所あたり表示面積の合計が5㎡以下
- 掲出数3枚以下
- 高さ4m以下の場合
- 管理用広告物(第1種禁止地域以外)で次の条件をすべて満たす場合
- 一段の土地又は1物件当たりの表示面積が10㎡以下
- 掲出数3枚以下
- 高さ4m以下
- 管理用広告物(第1種禁止地域)の場合
- 5㎡以下
- 2枚以下
- 高さ4m以下
許可地域等における総量規制
許可地域(住居)において非自家用広告物を掲出する場合
一つの敷地内に掲出する非自家用広告物の合計表示面積は10㎡以下であることが求められます。この中に自家用広告物の表示面積は含みません。
高さ15mを超える広告物を掲出する場合
許可地域(商業)は高さ52m以下、他の許可地域は高さ47m以下に該当する壁面合計面積の1/2以下である必要があります。
大規模広告物等を表示・設置する際の付加基準
西宮市の定義では、敷地内に掲出する全事業者の広告物の表示面積の合計が30㎡超、又は敷地内に高さが4m超の広告物がある場合の、当該敷地内の全ての広告物は、大規模広告物等に分類されます。
建植広告物の場合は、地面から支柱を含んだ高さが広告物の高さとなります。
付加基準の内容
- 同一内容の広告物の数量は2枚以下とする。
- 余白は表示面全体の面積の40%以上とする。
- 彩度の高い色は2色以下とする。具体的には以下のような色です。
色相:P系、RP系、R系、YR系(0~7.5YR系のみ)・・・彩度10を超える色
上記以外の色相・・・彩度8を超えるもの - 彩度の高い色を地色部分に使用し、かつ、当該面の表示面積が10㎡を超える場合、区域に応じて表示面積の50%~70%までという制限がかかる。
- 支柱や枠等の表示面以外の部分の色の彩度は1以下とする。
- 文字サイズは1文字当たりの一辺は2m以下とすること。
文字を掲出する高さが地上から5m以下の場合は、1文字あたりの1辺の長さは1.5m以下とすること。 - 建植広告物の数量は、案内誘導のためのものを除き、接する道路毎に1基以下とする。
案内誘導の建植広告物を使用する際も、自己の名称等の表示は表示面積の1/4以下とすること。
その他の規制
細かくみると非常に多いですが、いくつか紹介してみます。
- 非自家用広告物にあっては、規模に関わらず全ての広告物が許可申請の対象となります(当然地域や設置場所等の要件を満たす必要があります。)
- 許可地域(住居、工業、商業)に応じて、屋上広告物、壁面広告物、突出広告物、建植広告物等それぞれに微妙に異なる制限が加えられます。
- デジタルサイネージについても規制が規定されております。壁面広告物、自己敷地内の建植広告物については一定の条件を満たせば一応設置可能ではあります。
- のぼり・旗・置き看板は道路上には掲出してはいけません。
屋外広告物許可等申請手数料及び許可期間
西宮市屋外広告物条例しおり より
屋外広告業の登録
工事施工者が西宮市にて特例屋外広告業登録又は屋外広告業登録を済ませていない場合は、屋外広告物設置許可申請までに登録手続きが必要です。元請け・下請け問わず、法人・個人問わず登録が必要となります。
最後に西宮市で屋外広告物を設置したい方へ
西宮市は他の地域に比べて割とルールが細かい地域になるかと思います。看板やデジタルサイネージ等の屋外広告物の設置を検討されている場合等、屋外広告物に関するご相談は是非アイアンバード行政書士事務所までご相談ください。