奈良県の屋外広告物設置許可申請、屋外広告業の登録、景観施策

歴史的建造物が多い奈良県、そんな奈良県の屋外広告物条例や景観規制について簡単に解説します。

奈良県の屋外広告物条例と規制概要

奈良市、橿原市、桜井市、生駒市、葛城市、斑鳩町、明日香村については、景観行政団体となっております。
そのうち、奈良市、橿原市については屋外広告物条例が、桜井市、生駒市、葛城市、斑鳩町、明日香村については景観条例若しくは屋外広告物条例施行規則又はその両方が定められています。

都市計画法、森林法、文化財保護法、都市公園法等他の都道府県や市町村同様に登場する法令は勿論のこと、

  • 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法(昭和四十一年法律第一号)第四条第一項の規定により指定された歴史的風土保存区域
  • 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法(昭和五十五年法律第六十号)第三条第一項の規定により定められた第一種歴史的風土保存地区及び第二種歴史的風土保存地区
  • 近畿圏の保全区域の整備に関する法律(昭和四十二年法律第百三号)第六条第一項の規定により指定された近郊緑地特別保全地区
  • 奈良県立公園条例(昭和二十九年四月奈良県条例第九号)に基づく県立公園の区域

といった個別的な法令に登場する特別な区域・地区にも注意する必要があります。

許可が不要な自家用広告物

各法令で定められた地区等により、広告物の総表示面積が異なります。

5㎡以下、7㎡以下の地域では、自家用広告物であっても、イルミネーションやネオンサイン等の類は禁止であり、薄色の色彩で、かつ、点滅しないことが求められます。

また特定商品名を自家用広告物に表示させる場合は、以下の点に注意が必要です。

  • 特定商品名のみを表示するものではないこと(屋号、商号等をいれておけば条件はクリアされる)
  • 特定商品名を表示する面積は、各広告物の表示面積の合算面積の1/3以下であること

5㎡以下の地域

  • 歴史的風土特別保存地区
  • 第一種歴史的風土保存地区
  • 近郊緑地特別保全地区

7㎡以下の地域

  • 歴史的風土保存区域
  • 第二種歴史的風土保存地区
  • 風致地区

10㎡以下の地域

  • 上記以外の地域

留意しておくべき事項

  • 文化財周辺、幹線道路、鉄道路線付近は注意が必要となります。特に奈良県は文化財の類が非常に多く存在します。
  • 墓地、火葬場は他の都道府県でも禁止地域ですが、奈良県では陵(みささぎ)も禁止区域として明記されています。
  • 許可が必要な自家用広告物でも設置基準が設けられております。

景観保全型広告整備地区

良好な景観を保全する必要がある地域や、良好な景観を創出することが必要な地域等、広告景観の形成を図ることを目的とした知事指定の地域が存在します。

指定地域
  • 法隆寺地域沿道(斑鳩町)
  • 山の辺地域沿道(天理市・桜井市)
  • 奈良県下の主要インターチェンジ周辺(大和郡山市、天理市、香芝市、河合町、五條市)
  • 京奈和自動車道・大和御所道路の沿道(大和郡山市、天理市、橿原市、川西町、三宅町、田原本町)
  • 学研奈良登美ヶ丘駅周辺
  • 中和幹線沿道(大和高田市、橿原市、桜井市、香芝市、広陵町)の道路境界より10mの区域
    中和幹線屋外広告物ガイドラインが制定されており、誘導基準が存在します。

奈良県の屋外広告業登録について

屋外広告物を業として施工する場合は、個人法人問わず、元請け下請け問わず屋外広告業の登録が必要となります。このあたりは他の都道府県同様となります。

奈良県で屋外広告業登録を行えば、奈良県のほぼ全域での屋外広告業の営業が可能となります。

なお、奈良市で営業を行いたい場合は、奈良県で登録してから奈良市に特例申請を行うか、直接奈良市に屋外広告業の登録が必要となります。

奈良県景観資産

奈良県は県内のすばらしい眺望を望むことができる場所等を、奈良県景観条例第20条に基づき「奈良県景観資産」として登録しています。県下で161か所登録されております。

奈良県景観資産総合案内所/奈良県公式ホームページ

隣の大阪府や京都府とはまた違った、自然と歴史が調和した趣のある景観が奈良県にはあります。

最後に(余談)

正直な所、大まかな規制内容については奈良県の公式ページに概要が概ね記載されておりますので、正直な所概要をつかむ際はそちらをみていただいた方が早いかと思われます。

屋外広告について/奈良県公式ホームページ

Super Reiki-Base│例規一覧

奈良県に限らずどの地域でも看板などの屋外広告物を設置するにあたり事前相談を行っておくことは推奨されますが、奈良県もなかなかに規制がある地域ではあるので、やはり事前確認は必要であると言えるでしょう。

余談ですが、奈良県は居住者誘致、宿泊施設誘致や工場、倉庫等の大規模施設を中心とした企業誘致にも割と力を入れていたりします。大阪市内で行われる展示会ではよく奈良県のブースをみかけるぐらいに、誘致という点にも力を入れておられます。少し土を掘り返せば埋蔵物が出てきそうなイメージがあるかもしれませんが、それを見越して奈良県側で既に調査済の分譲地もあったりします。高速道路を活用すれば、意外と大阪・名古屋の大都市圏まではそう遠くもなく、県中南部を除き比較的自然災害が起きにくい場所でもあります。

当事務所では、奈良県の屋外広告物設置許可申請、屋外広告業の登録等の屋外広告物に関するご相談を承っておりますが、屋外広告物以外のご相談についても承っております。

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