屋外広告物の設置者とは?管理者とは?
屋外広告物の設置者と管理者の違いとは?
屋外広告物設置許可申請の都合上、設置者と管理者という概念があります。
屋外広告物設置申請の際にはその両方の記載が必要となります。
今回の記事では、そもそも屋外広告物の設置者とは?管理者とは?誰のことを指すのか解説します。
屋外広告物の設置者とは誰のことか?
屋外広告物法、屋外広告物法施行規則では設置者という文言は実はまったく登場しません。
屋外広告物条例ガイドライン(各地域の屋外広告物条例のベースとなるもの)の第19条(管理義務)において、それらしい文言が登場してきます。
(管理義務)
第十九条 広告物を表示し、若しくは掲出物件を設置する者若しくはこれらを管理する者又は甲億物若しくは掲出物件の所有者若しくは占有者(以下「広告物の所有者等」という。)は、これらに関し、補修、除却その他必要な管理を怠らないようにし、良好な状態に保持しなければならない。
つまり設置者とは厳密に誰かは定められておらず、条例でも定められていない場合が割とあります。
屋外広告物を表示し又は掲出物件を設置しようとする者、広告主、施設管理者、物件管理者等、各地域の条例によってさまざまな表現がなされています。
結局のところ設置者とは、『広告物を表示し、若しくは掲出物件を設置する者』という表現が妥当かと思われます。原則として看板の設置作業をする施工業者ではありません。(看板業者自らが自身の事業の看板を施工する場合等を除く)。ビルの一部に屋外広告物を設置して広告収入を得るケースもあるため、必ずしも広告主=設置者とも限りません。
ひらたくいえば、どちらかが設置者となるか建物の所有者(オーナー)又は借主(テナント)にて話し合いで決めることとなります。テナント不在の場合は、建物の所有者が設置者となります。
賃貸で借主となる場合は、看板の設置者は誰になるのか契約時にきちんと確認しておかねばなりません。
屋外広告物の管理者とは誰か?
許可申請が必要となる屋外広告物の設置者は、管理者を置かねばならない、と屋外広告物条例ガイドラインを含めて多くの条例にて記載されております。
管理者になれる者は施行規則にて定められております。(以下、大阪市屋外広告物条例施行規則)
第9条の4 条例第14条の2第1項の市長が定める要件を満たす管理者は、次の各号に掲げる広告物又は掲出物件の区分に応じ、当該各号に定める者とする。
(1) 建築基準法第88条第1項において準用する同法第6条第1項の規定による確認が必要な広告物又は掲出物件 次のいずれかに該当する者
ア 屋外広告物法第10条第2項第3号イに規定する国土交通大臣の登録を受けた法人が広告物の表示及び掲出物件の設置に関し必要な知識について行う試験に合格した者
イ 建築士法(昭和25年法律第202号)第2条第1項に規定する建築士の資格を有する者
ウ 電気工事士法(昭和35年法律第139号)第2条第4項に規定する電気工事士の資格を有する者
エ 電気工事士法第4条の2第1項の規定により特種電気工事資格者認定証(電気工事士法施行規則(昭和35年通商産業省令第97号)第4条の2第1項の表の上欄に掲げるネオン工事に係るものに限る。)の交付を受けている者
オ 電気事業法(昭和39年法律第170号)第44条第1項第1号に掲げる第1種電気主任技術者免状、同項第2号に掲げる第2種電気主任技術者免状又は同項第3号に掲げる第3種電気主任技術者免状の交付を受けている者
カ 職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)に基づく広告美術仕上げに係る職業訓練指導員免許を受けている者、技能検定合格証書の交付を受けている者又は職業訓練修了証書の交付を受けている者
キ 屋外広告業を営む者の事業者団体が広告物又は掲出物件の点検に関する技能について行う講習(市長が定める講習に限る。)を修了した者
(2) 前号に掲げる広告物又は掲出物件以外のもの 次のいずれかに該当する者
ア 前号に掲げる者
イ 本市の区域内に住所、事務所、事業所又は営業所を有する設置者
ウ 本市の区域内に住所、事務所、事業所又は営業所を有し、当該広告物又は掲出物件を管理することが可能な者
ざっくりとひらたくいえば、
工作物の建築確認が必要な高さ4m以上の屋外広告物の場合は、管理者は下記のいずれかになります。
- 屋外広告士
- 一級建築士、二級建築士、木造建築士
- 第一種電気工事士、第二種電気工事士
- 第一種電気主任技術者免状交付者、第二種電気主任技術者免状交付者、第三種電気主任技術者免状交付者
- 広告美術仕上げに係る、職業訓練指導員・技能検定合格者・職業訓練修了者
- 屋外広告物講習会の修了者
建築確認が不要な屋外広告物の場合の管理者は、下記のいずれかとなります。
- 上記の有資格者のいずれか
- 市の区域内に住所、事務所、事業所又は営業所を有する設置者
- 市の区域内に住所、事務所、事業所又は営業所を有し、当該広告物又は掲出物件を管理することが可能な者
設置者又は管理者が変更となった場合
なんらかの事情で設置者又は管理者が変更となった場合は、一定の期間内に変更届が必要となります。
設置者の変更要因として考えられるのが、物件の売買、賃貸、譲渡、相続等が想定されます。
管理者の変更要因として考えられるのが、業者の変更や、管理者の退職等が想定されます。
これらの変更届を怠った場合、罰則規定がございます。
以下大阪市屋外広告物条例より
第8条 設置者又は管理者に変更があつたときは、新たにこれらの者となつた者は、5日以内にその旨を所定の届出書により市長に届け出なければならない。
2 設置者又は管理者がその氏名又は住所(法人にあつては、その名称又は事務所の所在地)を変更したときは、5日以内にその旨を所定の届出書により市長に届け出なければならない。
最後に
屋外広告物は設置した後も手続きが必要となる場合がございます。
アイアンバード行政書士事務所では、屋外広告物に関するご相談を全国対応で受け付けております。
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