デジタルサイネージ・太陽光・蓄電池・IoT機器におけるサイバーセキュリティ上の注意点と認証制度・法制度の整理
目次
はじめに
近年、デジタルサイネージ、太陽光発電、蓄電池、IoT機器は、クラウド連携・遠隔制御・データ通信を前提としたシステム構成が主流となっています。
その一方で、
- サイバー攻撃による 不正操作
- システム侵入による 情報漏えい
- 社会インフラへの 波及リスク
が問題視され、技術面だけでなく「法制度・認証制度」への対応が強く求められるようになっています。
なぜ今、サイバーセキュリティが問題になるのか
背景①:社会インフラ化
- 太陽光・蓄電池 → 電力インフラ
- デジタルサイネージ → 公共空間・交通結節点
- IoT → 建物管理・都市インフラ
👉 「止まると影響が出る」設備になってきている
背景②:常時ネット接続
- クラウド管理
- アプリ連携
- 遠隔監視・制御
👉 外部からの侵入経路が常に存在
背景③:海外製機器・ブラックボックス化
- ファームウェアの実態不明
- アップデート管理が不十分
- 認証・基準の考え方が日本と異なる
分野別に見るサイバーセキュリティ上の注意点
デジタルサイネージ
- 不正侵入による表示改ざん
- マルウェア感染による踏み台化
- 公共空間での社会的信用失墜
👉 屋外広告・公共空間では特にリスク顕在化
太陽光・蓄電池
- 発電・充放電の遠隔制御
- 電力需給への影響
- 大規模停電リスク
👉 国レベルでの対策対象分野
IoT機器
- 初期パスワード未変更
- 通信の暗号化不足
- 機器数が多く管理不能
👉 「小さな機器」が「大きな侵入口」になる
関連する主な法制度・政策枠組み
電波法
- 無線通信機器の使用には技術基準適合証明(技適)が必要
- 不正・未認証機器の使用は違法
👉 通信の安全性の最低ライン
不正アクセス禁止法
- 不正侵入・不正操作の禁止
- 管理者側の管理責任も問われる可能性
個人情報保護法
- サイネージ・IoTで取得する映像・位置・行動データが対象になる場合あり
- 委託・クラウド利用時の管理義務
経済安全保障の観点
- 重要インフラ分野の
サイバーリスク管理が強化 - 再エネ・電力分野は特に対象
サイバーセキュリティ関連の主な認証・評価制度
技術基準適合証明(技適)
- 無線通信の 法的必須要件
- サイバー対策の前提条件
総務省 電波利用ポータル|基準認証制度|制度の概要(登録証明機関一覧)
JC-STAR(IoTセキュリティ評価制度)
- IoT機器のセキュリティ水準を可視化
- 調達・導入時の比較指標
- 適合ラベル発行日から最大2年間有効
- ★1~4の4つのレベル。
★1~2は自主宣言
★3~4は政府機関や重要インフラ事業者等向け製品が想定。独立した第三者機関による評価報告書への提出が必要
👉 今後、公共調達・補助金要件に組み込まれる可能性が高い
セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR) | 情報セキュリティ | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
ISMS(ISO/IEC 27001)
- 機器単体ではなく
組織全体の情報セキュリティ管理 - システム運用者・管理者側で求められるケース
概要 | ISO/IEC 27001(情報セキュリティ) | ISO認証 | 日本品質保証機構(JQA)
補助金・実証事業で特に注意すべき点
- 技適未取得機器の使用 → 不採択・返還
- セキュリティ体制が説明できない
- 海外製機器の仕様不明
👉「性能が良い」だけでは通らない時代
行政書士が関与できる実務領域
技術的な対策そのものではなく、制度・書類・説明責任の整理が行政書士の専門領域でもあります。
支援内容の例
- 技適・認証取得状況の整理、取得支援
- 補助金・実証事業向け説明資料作成
- 法制度上の整理・注意点の文書化
- 導入前チェックリスト作成
こんなケースは事前確認が重要です
- 公共空間・公共施設への設置
- 補助金・委託事業・実証事業
- 海外製・クラウド連携機器
- エネルギー関連設備
まとめ
デジタルサイネージ、太陽光、蓄電池、IoT機器は
「便利さ」と引き換えにサイバーセキュリティと法制度対応が不可欠な分野です。
- 技適 → 最低限の法的要件
- セキュリティ → 社会的責任
- 認証制度 → 信頼性の可視化
これらを事前に整理できているかが、事業の成否を左右します。
お困りの際は、当事務所へ是非ご相談ください。


