2025年国・都道府県・市町村の補助金制度等
目次
当事務所での補助金制度の考え方
原則として、当事務所では補助金制度導入支援は紹介案件又は顧問契約締結の個人若しくは法人に限ります。スポット案件での対応は原則致しません。補助事業は短くとも数ヶ月、年単位で考える必要があり、長期に渡る経営伴走の側面が強いものであるというのが理由となります。補助金制度導入を機に顧問契約締結をご検討される場合は是非ご相談ください。検討している計画に応じて、制度調査から実施させていただきます。また補助金制度を利用するだけでなく、補助金制度で利用されるための視点でもアドバイスさせていただきます。
なお、利用が検討できる補助金制度調査については通常の相談業務にて有償にて行っております。
補助金制度の一般的な注意点
補助金制度の一般的な概要について、今一度ご確認ください。
- 助成金と補助金の違い
- 助成金は厚生労働省管轄の労働・雇用・年金に関わるものが多いです。基本的に要件を満たせば採択される性質のものになります。
- ※厚生労働省管轄の助成金については当事務所では対応しておりません。提携の社労士をお繋ぎ致します。
- GビズIDの取得。特に経済産業省・中小企業庁の補助金制度を検討している場合は事実上必須です。
補助金制度活用以外にも、一部許認可の電子申請や地方自治体での電子手続にも利用が可能なため、まだ取得されていない事業者様は是非取得しておいた方がよいでしょう。 - 補助金制度では、要件を満たした上で申請書を提出して審査で採択される必要があります。
必ずしも採択されるわけではありません。制度や年度等、情勢によって採択率は異なります。 - 同じ名前の補助制度で過去に実施履歴があったとしても、募集回毎に要件や詳細部分が異なる可能性が高いです。
小さな違いで、制度の使い勝手が大きく変わったり採択の難易度が変わることもあります。 - 原則、補助事業開始のゴーサインが出る前に契約・使用した場合は対象外となります。
採択の後に別途手続きを行い、通知の後にようやく補助事業が開始できるようになる場合もあります。 - 採択されてから実績報告の後に補助金が振り込まれます。
数ヶ月か一年以上後となる場合もあり、少なくともすぐに振り込まれる類のものではありません。
したがって事前の資金計画も合わせて考える必要があります。 - 制度によっては振込後も継続的な実績報告が必要な場合もございます。
最悪の場合、補助金の返還や罰金等が科される場合もあります。 - 最終的な申請作業については申請者本人が行わなければならず、代理申請が不可の制度も多々あります。
- 申請支援業者と補助事業使用先が一体となっている場合はまずいと考えるべき。
要綱にその旨が記載されている制度が多く、原則としてお勧めしておりません。 - どの制度を検討する場合でも、詳細については、各制度の募集要項を確認する必要があります。
最終的な申請作業が本人申請のみのものが多い点を踏まえ、完全に丸投げではなく一定程度理解しておこうという姿勢は必要かと思われます。
補助金をもらうために制度を利用するのではなく、もともと温めていた計画を補助金制度を活用して事業化して加速させる、という意味合いで考えるのがよいでしょう。
看板等の屋外広告物と補助金制度については、下記の記事もご確認いただければ幸いです。
看板・デジタルサイネージ等の屋外広告物に関連する補助金制度導入にあたって必ず押さえておくべきこと
補助金制度等の例(2025/3/9 最終更新)
非常に多岐にわたるため、本記事ではほんのごく一部をご紹介させていただきます。
各制度毎に募集要項等の情報が更新されるタイミングが異なるため、確認次第随時加筆修正を行ってまいります。
国の省庁の制度
経済産業省(中小企業庁)
小規模事業者持続化補助金
補助上限 50万円(特例制度を活用して最大250万円)
次回募集開始:2025年5月 1日(木)
募集締め切り:2025年6月13日(金)
「小規模事業者持続化補助金」の公募要領を公開しました | 経済産業省 中小企業庁
2025年3月9日現在、募集要項は暫定版となっておりますので、今後内容に変更がある可能性が想定されます。
中小企業成長加速補助金
売上100億円を目指す野心的な企業を後押しする制度です。事前に100億宣言をする必要があります。
この宣言は補助金制度の導入の前提条件であるだけでなく、「宣言」を行った成長を目指す経営者が、地域・業種を超えて刺激し合える経営者ネットワークに参加できるというメリットもあります。
投資額1億円以上という要件のため、一定規模以上の大規模な設備投資を検討している企業が対象となります。
経営力、波及効果、実現可能性の観点で審査されます。
令和7年5月より募集開始とのことです。
中小企業新事業進出補助金
対象:企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等
補助率・補助額:補助率1/2。750万円~9000万円(規模、条件により変動)
公募開始時期は2025年3月9日時点で未定です。
【参考リンク】
中小企業・小規模事業者関係予算等のポイント(令和6年度補正・令和7年度当初予算案)
環境省(経済産業省・国土交通省・環境省連携)
省エネ・非化石転換補助金
大きく4つのコースに分かれております。
(Ⅰ)工場・事業場型(工場全体の省エネ)
工場全体の省エネを図る目的の補助を行う制度です。
- 補助率:1/2(中小)1/3(大)等
- •補助上限額:15億円等
- ※中小企業投資枠等を追加
(Ⅱ)電化・脱炭素燃転型(製造プロセスの電化・燃料転換)
電化や、より低炭素な燃料への転換を伴う機器への更新を補助する制度です。
- 補助率:1/2
- 補助上限額:3億円等
- ※中小企業のみ工事費を補助対象に追加
(Ⅲ)設備単位型(リストから選択した機器への更新)
業務用給湯器、高効率空調機、産業モーター等のリストから選択した機器への更新を補助する制度です。
省エネ要件が追加されております。
- 補助率:1/3
- 補助上限額:1億円
(Ⅳ)EMS型(エネルギーマネジメントシステムの導入)
AIによる省エネ最適運転や、数値を可視化したロス検出システム等のシステム導入を補助する制度です。
- 補助率:1/2(中小)1/3(大)
- •補助上限額:1億円
【参考資料】
令和6年度補正予算案における省エネ支援パッケージ(資源エネルギー庁)
業務用建築物の脱炭素改修加速化事業
既存建築物の外皮の高断熱化及び高効率空調機器等の導入を促進するため、設備補助を行う制度です。
- 主な対象設備:断熱窓、断熱材、高効率空調機器、高効率照明器具、高効率給湯機器 等
- 改修内容に応じて定額(補助率1/2~1/3相当) 等
業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(脱炭素ビルリノベ事業)について | 地球環境・国際環境協力 | 環境省
文部科学省
文化庁
既に2025年3月9日時点で募集が締め切られている制度もありますが、一部まだ募集期間中の制度もあります。
主に文化財に関連する制度がいくつかあります。
その他の過去制度は下記リンクをご確認ください。
都道府県の制度
大阪府の制度
令和7年度中小事業者高効率空調機導入支援事業補助金
中小事業者が高効率空調機を導入するための設備費及び工事関連費の一部を補助します。2025年3月8日時点ではまだ詳細は不明です。
脱炭素経営宣言登録制度について/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government]
- 対象者:府内の工場・事業場において高効率空調機を導入する中小事業者
(中小企業者、医療・社会福祉・学校法人、個人事業主等。リースで導入する場合も可) - 補助対象費用
- 高効率空調機の購入に要する費用(運転リモコン、防振架台、落下防止部品などの付帯設備を含む)
- 補助事業の実施に不可欠な設計、工事、既存の空調機の撤去・処分に要する費用
- 補助率:2分の1 (補助上限額:500万円 補助下限額:20万円)
- 応募方法:2025年3月上旬公表予定
- 申請書の提出先:2025年4月上旬公表予定
【参考リンク】
令和7年度中小事業者高効率空調機導入支援事業補助金/大阪府(おおさかふ)ホームページ [Osaka Prefectural Government]
市町村の制度
大阪市の制度
大阪市本社機能立地促進助成金
企業の本社機能の立地を促進し、大阪のビジネス環境の向上や経済活性化を図ることを目的として、大阪市内に本社機能を有する事業所等を新たに設置する事業者へ建物賃借に係る経費の一部を助成する制度です。
- 募集期間:令和7年3月7日(金曜日)14時 ~ 令和7年5月7日(水曜日)17時まで
- 令和8年2月28日までに大阪市内で事業を開始すればよい。
- 助成対象経費は、新たに設置した拠点に係る建物賃借料(共益費及び管理費、敷金及び保証金その他賃貸借契約に際して授受される一時金、消費税及び地方消費税等を除き、1平方メートルあたり月5,000円を上限とする。)のうち、助成対象事業を現に行うために賃借した事業所等に係る面積に相当する分の賃借料。
- 助成金額は、前記助成対象経費の2分の1(千円未満切捨て。)とし、1か月あたり100万円が上限
- 助成期間:新規立地をする事業所等において事業を開始する日の属する月の翌月から起算して連続する24 か月間
いくつかの要件を満たす必要があります。
- 設立登記から申請日前日までの期間が5年を超えていること
- 資本金が1,000万円以上であること
- 過去5年(交付申請日の前日から逆算して5年)の間、大阪市内に事務所、営業所、工場、店舗、倉庫等の事業活動に係る拠点を設けていないこと。
など・・・。
【参考リンク】
大阪市:令和7年度大阪市本社機能立地促進助成金の対象となる事業者を募集します
エリアマネジメント活動促進制度
環境や安全・安心への関心の高まり、既存ストックの有効活用など、維持管理・運営の必要性、地域間競争に伴う地域の魅力づくりの必要性を鑑み、官民連携したエリアマネジメント活動を促進するため、エリアマネジメント活動に関する計画の認定、活動費用の交付等に関する事項を定めた、新たなまちづくりの制度が創設されています。
- 都市再生特別措置法に基づく都市再生推進法人制度を活用
- 地方自治法の分担金制度を活用し、大阪市が徴収した分担金を活動財源として団体に交付することで、
民間団体による道路等の公共空間での継続的で自由度の高い活動や質の高い維持管理が可能 - 公共空間を活用した収益事業への規制緩和等により、、道路空間を活用したオープンカフェ事業や広告事業など民間団体の自主財源確保の工夫余地を拡大
最後に
コロナ渦では比較的通りやすかった制度も、不正受給が横行したため現在は採択が厳しめとなっております。不正受給について行政側では目を光らせております。
繰り返しになりますが、補助金をもらうために制度を利用するのではなく、もともと温めていた計画を補助金制度を活用して事業を加速させる、という意味合いで考えるのがよいでしょう。また補助金制度の利用を検討するだけでなく、事業内容によっては補助金制度で利用していただくには?という視点で事業を行ってみると、自ずと営業先がみえてくる場合もございます。
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