解体工事業の登録
解体工事業登録とは?
解体工事業登録とは、一定規模以上の解体工事を請け負う業者が、適法に事業を行うために必要な登録制度です。2016年(平成28年)の改正建設業法により、解体工事業が独立した業種として新設され、それまで「とび・土工工事業」に含まれていた解体工事が明確に区分されました。この改正により、解体工事業を営むには、原則として解体工事業の登録または建設業許可を取得する必要があります。
解体工事業登録が必要なケース
解体工事業登録が必要となるのは、下記の条件に該当する場合です。
- 請負契約の工事金額が500万円(税込)未満の解体工事を行う場合(元請け、下請けを問いません)
- 建設業許可(解体工事業、土木工事業、建築工事業)を取得していない業者が解体工事を行う場合
一方で、請負金額が500万円(税込)以上の解体工事を行う場合は、「建設業許可(解体工事業)」が必要になります。
解体工事業登録の要件
解体工事業の登録を行うためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 営業所の設置
- 事業を適正に管理できる営業所を有していること。
- 技術管理者の配置
- 解体工事の適正な施工を確保するために、「技術管理者」を配置すること。
※ただし、建設業の許可を有する建設業者に勤務する技術管理者は、常勤性が求められる建設業の経理業務の管理責任者や選任技術者との兼務が不可です。 - 技術管理者となるには、以下のいずれかの資格が必要。
- 一定の実務経験を有する者
- 解体工事に関する資格を保有する者(例:1級・2級土木施工管理技士(解体工事施工技士)など)
- 解体工事の適正な施工を確保するために、「技術管理者」を配置すること。
- 欠格要件に該当しないこと
- 申請者が一定の法令違反や破産手続開始決定を受けていないこと。
技術管理者の要件
解体工事業登録にあたり最も壁になるであろう部分となります。
実務経験で要件を満たす場合
全国解体工事業団体連合会の解体工事施工技術講習受講者は下記の年数から1年必要年数が短縮されます。
- 土木工学、建築学、都市工学、衛生工学、交通工学の学科を卒業した大卒、高専卒・・・2年
- 土木工学、建築学、都市工学、衛生工学、交通工学の学科を卒業した高卒・・・4年
- 上記以外・・・8年
実務経験なしでも要件を満たせる資格要件
- 一級建設機械施工管理
- 二級建設機械施工管理(第一種、第二種)
- 一級土木施工管理
- 二級土木施工管理(土木)
- 一級建築施工管理
- 二級建築施工管理(建築、躯体)
- 技術士(建築部門)
- 一級建築士
- 二級建築士
- 解体工事施工技師試験合格者
- 一級とび+とび工
解体工事実務経験1年が必要な資格
- 二級とび+解体工事実務経験1年
- 二級とび工+解体工事実務経験1年
登録の申請手続き
解体工事業登録の申請は、事業を行う都道府県ごとに行います。申請手続きの流れは以下のとおりです。
- 必要書類の準備
- 申請書
- 営業所の所在地を証明する書類
- 技術管理者の資格証明書や実務経験証明書
- 役員の身分証明書・登記されていないことの証明書
- 誓約書 など
- 申請書の提出
- 事業を営む都道府県の担当窓口へ提出
- 審査・登録
- 申請内容に問題がなければ、登録が完了し「登録通知書」が交付される。
- 登録の有効期限
- 解体工事業登録の有効期間は5年間。継続して事業を行う場合は、期限が切れる前に更新手続きを行う必要があります。
まとめ
解体工事業登録は、適正な解体工事を実施し、法令を遵守するために重要な制度です。特に、解体工事を500万円未満で請け負う場合には、事前に登録を行うことが必須となります。登録の要件や申請手続きを把握し、適切な準備を進めることが重要です。
当事務所では、解体工事業登録の申請代理業務を行っております。登録に関するご相談や手続きの代行をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。