営利目的と商用目的と商業目的の違い

企業や事業者として、ビジネスの立場で宣伝広告を行う際には、他者の権利を侵害しないように気をつけねばなりません。インターネット広告が急速に普及し、広告会社のみならず自社での宣伝がSNSを通じて容易に可能となった昨今、知的財産権のケアが急務となっております。今回は、営利目的と商用目的と商業目的の違いについて解説していきます。

概要

営利目的:金銭的利益を得る意図があるかどうか(「目的」に焦点)

商用目的:業務・ビジネスで使うかどうか(「用途」に焦点)

商業目的:社会的・経済的な商業活動と関係するかどうか(「活動の性質」に焦点)

項目営利目的商用目的商業目的
定義の観点利益(金銭)を得る意図がある行為全般事業活動・ビジネスで「利用すること」自体が目的商取引・流通・宣伝などの経済活動を目的とする行為
重視される要素動機(収益を得る意思)用途(事業で使うか)活動の性質(経済活動か)
使用例有料配信、広告付きブログ運営など企業のHPで画像を使う、業務用にソフトを使う催事で物販する、商品撮影、企業展示
利益発生の有無意図があれば該当
※実際に儲かってなくても
実際にビジネス用途なら該当(利益不要)販売や営業活動であれば利益不問で該当
主な使用分野著作権法、道路法などソフト・素材のライセンス、契約書など条例、公園利用規程、撮影ガイドラインなど

行為の例営利目的商用目的商業目的備考
広告付きYouTube動画投稿(個人)該当条件により該当通常は該当収益化していれば営利・商用・商業のすべてに該当可能
フリー画像を企業Webサイトで使用(収益なし)非該当該当該当利益は得ていなくても営業活動の一部なら商用・商業に該当
無償の企業パンフレット配布非該当該当該当無料でも事業活動であれば商用・商業目的
同人誌頒布(利益なし・趣味)非該当非該当またはグレーグレー営利性は薄いが、頒布方法により商業的と見なされることも
美術館での作品上映(非営利)非該当非該当該当の可能性あり「商業施設」等での開催であれば商業目的と判断される場合あり

■ 結論(ざっくりとした覚え方)

  • 営利目的:お金を「儲けるつもり」か?
  • 商用目的:ビジネスに「使うつもり」か?
  • 商業目的:経済活動に「関わる行為」か?

最後に

インターネットを利用した発信が日常となっている昨今、著作権等の知的財産権への理解は業種・分野を問わず必要な知識となります。

悪事千里を走る、といいますが炎上によるネガティブな情報はすぐに広まり、重大なイメージダウンにもつながります。

一方で、遵守するのがある意味当たり前のところであり、それ自体が利益を生み出すものではなくリスクを軽減するだけの所にそこまでコストをかけられない、という考えも存在します。

『何も起こらない、起こさない』ことにも価値はあります。

安全にかつ外部での目線が必要な方は、是非当事務所にご相談ください。

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