電気用品安全法に基づく届出

電気用品安全法は、電気用品による危険や障害を防止するために制定された法律です。この法律は、電気用品の製造、輸入、販売に関する規制を定めており、消費者の安全を確保することを目的としています。

PSEマークの意義

PSEマークは、Product Safety Electrical appliance & materialsの略で、電気用品安全法に基づく安全基準に適合していることを示す表示です。このマークは、消費者が安全な電気製品を識別するための重要な指標となっています。

電気用品の分類

電気用品安全法では、電気用品を以下の2つに分類しています:

  1. 特定電気用品:116品目が指定されており、高い安全性が求められる製品です。
  2. 特定電気用品以外の電気用品:341品目が指定されています。

特定電気用品

構造又は使用方法等の使用状況により危険が生じるおそれの高いものとして指定されるもので、下記のような特徴が挙げられます。

  • 長時間無監視で使用されるもの
  • 社会的弱者が使用するもの
  • 直接人体に触れて使用するもの

ケーブル、コード、スイッチ、ヒューズ、変圧器、ポンプ、スチームバス、電熱式おもちゃ等があります。
詳細は下記をご確認ください。

製造輸入事業者向け手引書(ver.5.0.2)より

特定電気用品以外の電気用品

電球管、広告灯、LEDランプ、テレビ受信機、エアコン、電子レンジ、電動工具

なお、広告灯の概念は広く、デジタルサイネージから回転灯まで広く含まれます。

製造輸入事業者向け手引書(ver.5.0.2)より

電気用品に該当しないもの

上記に該当しないものがごくわずかにあります。

  • スマートフォン本体(ただしACアダプターは電気用品となる)
  • パソコン本体
  • プリンター
  • 生ごみ処理機
  • 直流機器など

PSEマークの種類

流通前規制に関する義務を届出事業者が果たした証として、届出事業者が電気用品に表示をすることができるようになるマークをPSEマークといい、種類あります:

  1. ひし形PSEマーク:特定電気用品に表示されます。
  2. 丸形PSEマーク:特定電気用品以外の電気用品に表示されます

届出・申請制度

1. 製造又は輸入事業届出

電気用品の製造または輸入を行う事業者は、事業開始の日から30日以内に経済産業大臣に届け出る必要があります。実際の窓口は消費者庁となります。この届出は、以下の情報を含む必要があります:

  • 氏名または名称および住所
  • 法人の場合は代表者の氏名
  • 電気用品の型式の区分
  • 製造または輸入する電気用品の種類
  • 製造事業者の場合は製造工場の名称および所在地

2. 技術基準適合義務

届出事業者は、電気用品を製造または輸入する際に、経済産業省令で定める技術基準に適合させる義務があります。

3. 適合性検査(特定電気用品の場合)

特定電気用品の場合、届出事業者は登録検査機関による適合性検査を受ける必要があります。この検査は、製品が技術基準に適合していることを確認するものです。

4. 自主検査

届出事業者は、製造または輸入する電気用品について、技術基準に適合していることを確認するための検査(自主検査)を行う必要があります。

5. 検査記録の作成・保存

自主検査の結果は、検査記録として作成し、3年間保存する必要があります。

6. PSEマークの表示

技術基準に適合していることが確認された電気用品には、PSEマークを表示する必要があります。

  • 特定電気用品:ひし形PSEマーク
  • 特定電気用品以外の電気用品:丸形PSEマーク

PSEマークの表示事項

ひし形PSEマーク(特定電気用品)

ひし形PSEマークに加えて、以下の情報を表示する必要があります:

  • 登録検査機関のマーク
  • 製造事業者等の名称(略称、登録商標を含む)
  • 定格電圧
  • 定格消費電力等

丸形PSEマーク(特定電気用品以外の電気用品)

丸形PSEマークに加えて、以下の情報を表示する必要があります:

  • 製造事業者等の名称(略称、登録商標を含む)
  • 定格電圧
  • 定格消費電力等

電気用品例外承認申請

電気用品例外承認とは、通常であれば電気用品安全法に基づくPSEマークの表示が必要な電気用品について、特定の条件下であり、申請を行うことで例外的にPSEマークなしでの製造、輸入、販売を認める制度です。

例外承認の対象となる主な電気用品

  1. リチウムイオン蓄電池
  2. アンティーク照明
  3. ビンテージ品(電子楽器、音響機器など)
  4. ツーリストモデル
  5. その他特殊な用途の電気用品

罰則

PSE適合とPSEマークの表示が義務づけられている対象電気用品にPSEマークが表示されていない場合、製造、輸入、販売のすべてが違法となります。違反した場合、以下の罰則が課せられる可能性があります:

  • 個人:1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、またはその両方
  • 法人:1億円以下の罰金

まとめ

電気用品安全法の届出・申請制度は、電気製品の安全性を確保するための重要な仕組みです。事業者は適切な届出を行い、技術基準に適合した製品を製造・輸入し、PSEマークを正しく表示することが求められます。消費者は、PSEマークを確認することで、安全性が確認された電気製品を選択することができます。この制度により、電気製品による事故や危険を防止し、消費者の安全を守ることが可能となっています。

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