屋外広告業登録

屋外広告業とは

屋外広告業とは、広告主から広告物の表示・設置に関する工事を請け負い、屋外で公衆に表示することを『業』として行うことを指します。屋外広告物法により屋外広告業を営む場合は、都道府県の登録を受けなければならないものとすることができるとされていますが、各都道府県や市町村にて屋外広告物条例が施行されており、事実上登録が必要です。

基本的には営業範囲とする都道府県に登録を行い、営業地域によって政令指定都市・中核市・特別区へ別途特例申請を行うこととなります。例えば、大阪府で登録したからといって、すぐに大阪市で屋外広告業を営むことができるというわけではなく、別途で特例申請が必要となります。なので、地域密着型で、ある政令指定都市や中核市の範囲内でしか営業しない場合であれば、その政令指定都市での登録を行えばよく、必ずしも都道府県への登録は必要ありません。

  • 屋外広告物の施工を請け負うにあたっては、元請け下請けを問わず登録が必要。
  • 法人個人問わず施工を請け負う場合は必要。
  • 単に看板を製造しているだけの場合は、屋外で公衆に表示をするための設置に関する工事をしていないので屋外広告業には当たらず、屋外広告業は不要。(ただし、設置先の法令等に適合するかどうかの視点は必要)

なお、2024年6月末時点で
都道府県47か所
政令指定都市20市
中核市62市
計129か所あります。元請け下請けを問わず屋外広告物設置を伴う業務を行う場合は、対応する地域分の登録が必要となります。

具体的な市は、別記事にまとめてあります。
屋外広告業登録の登録先 | アイアンバード行政書士事務所 (ironbird.jp)

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業務主任者の選任

営業所毎に業務主任者を選任する必要があります。
業務主任者に必要な資格は下記のとおりです。(詳細は各条例を確認すること)

  • 屋外広告士
  • 全国の都道府県、政令指定都市や中核市が行う屋外広告物講習会の修了者
  • 広告美術仕上げに関する職業訓練指導員保持者、技能検定合格者、法定職業訓練の修了者

登録拒否事由

実際には屋外広告物法に加えて、各都道府県、政令指定都市、中核市の条例が要件が加算されますので、あくまで最低限の内容だけ記載しておきます。
ひらたくいえば、屋外広告物法や屋外広告物条例違反による登録取り消しや罰金以上の刑の終了から2年が経過していない場合が対象となります。

  1.  条例の規定により登録を取り消され、その処分のあった日から二年を経過しない者
  2.  屋外広告業を営む法人が条例の規定により登録を取り消された場合において、
    その処分のあった日前三十日以内にその役員であった者で、
    その処分のあった日から二年を経過しない者
  3.  条例の規定により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
  4.  この法律に基づく条例又はこれに基づく処分に違反して罰金以上の刑に処せられ、
    その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
  5.  屋外広告業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が上記1~4のいずれかに該当するもの
  6.  法人でその役員のうちに上記1~4のいずれかに該当する者があるもの
  7.  業務主任者を選任していない者

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その他の注意点

  • 登録の有効期間は5年(屋外広告物法)で更新手続きが必要
  • 登録内容に変更があった場合や、廃業する場合届出が必要
  • 無許可営業、不正な登録、営業停止命令違反は条例により罰則規定が存在したり、行政処分がなされます。
  • 多くの地域で事務所に登録票の表示義務が条例で課されています。(下記は大阪府の様式例)

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他の法令に基づく許可申請との関係

建設業許可申請

下記の場合は、建設業許可は不要です。

  • 一件の請負代金が500万円未満
  • 建築一式工事における契約金額が1500万円未満
  • 延床面積が150㎡未満の木造構造で延べ面積の半分以上が居住用となる住宅を建てる場合

したがって、小規模な屋外広告物を設置する場合は必ずしも建設業許可が必要となるわけではありません。しかしながら、現在建設業登録をされている事業所様が、今ある技術やつよみを活かして屋外広告物業に参入するというのは非常にシナジーがあるのではないかと思われます。

建設業許可申請における建設業には29種類の分類がございますが、下記のような業種ですと特にシナジーがあるのではないでしょうか。

  • 建築工事業
  • 大工工事業
  • 左官工事業
  • とび・土工工事業
  • 鋼構造物工事業
  • 板金工事業
  • 塗装工事業
  • 機械器具設置工事業
  • 電気通信工事業
  • 造園工事業
  • 建具工事業
  • 解体工事業

電気工事業登録

建設業の電機工事業とは別で、一定の電気工事を行う際は電気工事業法に基づく電気工事業者の登録が必要となります。
原則は都道府県への登録となりますが、営業所が複数の都道府県にまたがって存在する場合は、登録先が経済産業大臣であったり地方の産業保安監督部になったりと、少々ややこしい制度です。

電気工事業概要については、こちらの記事をご確認ください。
電気工事業の登録について

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最後に

人が外を出歩く限り、屋外広告物がなくなることはまずないでしょう。

たしかに、インターネット広告の急拡大や経済状況等の様々な要因で、屋外広告物の需要は厳しい側面はあります。しかしながら、デジタルサイネージや電子ペーパーディスプレイ等の新技術への置き換えや既存看板の点検等、今後も一定の需要が見込まれると考えております。特にデジタル化とのシナジーが高く、他業種からの参入というのは十分考えられる話ではあります。

DX化が世間で叫ばれてはおりますが、日本でのデジタル化はまだ2割3割といったところでまだまだ道半ばです。一部の地域ではデジタルサイネージのガイドラインが制定されつつあり、まだまだ追いついていない部分もございますが、非常に可能性と機会があると見込んでおります。

強みを魅せるお手伝いに強みのある当事務所もお役に立てる部分は多々あるかと思われます。屋外広告業、屋外広告物のご相談は是非アイアンバード行政書士事務所までお気軽にお問い合わせください。

共に未来に向かって飛翔したい方からのお問い合わせを心よりお待ちしております。

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